不妊治療をしている人との付き合い方は難しい

2019-05-13不妊治療で思うこと

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3月末、卵管クリッピング手術のため、岡田病院に入院していた時のこと。

手術を終えた翌日から、癒着防止のため、とにかく動いてくださいと言われていたので、
痛む腹部をかばいながら、ヨタヨタと病院内を歩いていました。

私の病室は5階だったのですが、看護師さんに「6階や7階の廊下をグルーっと回ってきてもいいですよー」って言われていたので、
点滴台をコロコロと押しながら、エレベーターに乗って6階へ。

各フロアをグルーっと一周、といってもそんなに広いわけではないので、2周ほど歩いて、7階フロアに上がり、またお散歩。

ヨタヨタと歩く、同年代と思われる女性と出会いました

前方に、私と同じようなヨタヨタ歩きの女性を発見!
下腹部に手を当てて、点滴台をコロコロと押しながら歩く、私と同年代だと思われる女性でした。

パッと目が合い、お互いに直感が働きました。
「昨日、長田先生の手術をされた方ですよね?」
「そうです!そうです!」

立ち話はお互いに苦痛なので、2階の待合フロアに降り、座ってお喋りしました。

手術のこと、術後のこと、不妊治療のことなど、1時間ほどいろいろ話しました。
現在進行形で不妊治療をしている人と、面と向かって話したのは初めてでした。
最後は、「お互い頑張りましょうね!」と言い合って別れました。

ふと、「連絡先を交換して、またいろいろ話したいな」という気持ちにもなりましたが、それはしませんでした。

不妊治療をしている者同士の関係はとても難しくて、同時に妊娠したり、同時にうまくいかなかったりといった場面では話が合うのかもしれませんが、
もしどちらか片方に違う結果が出た場合、これまでの関係性が崩れてしまう可能性が大きい。
相手にいい結果が出た場合、私はきっと素直に喜べないだろうし、もし私にいい結果が出てもそれを相手に報告するのかどうか迷うと思う。

今はいい。
今は、同じ日に手術をして、同じ境遇にいるから。
でも退院して、またそれぞれの治療が始まると、途端に状況が変わってきてしまいます。

治療で精神的に不安定になっている中、自らストレスになりそうな要因を作るのだけは避けたい。
これは、お互いに言えること。
お互いのことを考えたら、「じゃあね」と言ってこの場を離れ、またどこかで見かけたら挨拶する程度で十分だと思いました。

退院の日も、会計フロアでその人と顔を合わせ、
「その後、どうですかー?」なんて話して、「気を付けて帰ってくださいねー」と言って別れました。

術後診察でNAC日本橋に行った時も、彼女を見かけたので私から声を掛けました。
私は診察もお会計も終わったタイミング、彼女は来院受付をしたタイミングで、
「痛みは無くなったんですけどねー」
「傷口がかゆくてかゆくて(笑)」みたいな会話をして、私は帰りました。

入院日が同じだと、術後診察の日も同じだろうから、会うかもしれないということは予想できていました。
でも、もうこれからは別々の診察を受けることになります。
きっともう彼女と会うことはないでしょう。
とても感じのいい人で、明るくてかわいらしい女性でした。
こういう出会いではなかったら、間違いなく連絡先を交換してもらっていました。

でも、できなかった。
冷たいと思われるかもしれないけれど、これでいい。

今の私は、それでいい。

2019-05-13不妊治療で思うこと